肩パッドの入ったジャケットは硬く構築的で男らしい。
肩パッドが入っていないジャケットは軽やかで柔らかい。
世間的なスーツの印象はなんとなくこんな感じな気がする。
イギリスのスーツには肩パッドがしっかり入っていて、イタリアのスーツには入っていない。
恐らくこれも割と世間の主な印象な気がする。
既製品なんかでは販売手段としてイメージがとても重要なのでこの分類は仕方がない。
すごく簡単に分かりやすく仕分けすると確かにそんな感じではあるのだが、細かく見るとイギリスのテーラーの中でもソフトな作りのものもあれば、イタリアの中でも南も北も関係なく肩パッドが入ってクラシックな作りをしているところはたくさんある。
結局は作り手がどのような服を作りたいかで決まるし、オーダーの場合は顧客の意向で肩パッドありなしが変わるものである。
とまぁ色々言ってみたが、私自身は肩パッドがある方が好みである。
というのも私の体型は極端に細身且つなで肩なので、肩パッドの無いジャケットは自分的には似合ってないように見えるからだ。身長がある分肩幅は割とある方なのだが、肩の厚みが無く凄いなで肩なので鏡を見るたび肩幅が狭く感じてしまう。
ちなみにどのくらいなで肩かというと、中学時代教室で友人が私を見て唐突に「なで肩だなぁ~」と何の脈絡も無くある種感心くらいの温度で言われた程なで肩だ。学ランも着ていてである。中学生が人を見て発する感想としてはとても珍しい。
余談だが似たエピソードで、高校時代友人と原宿で買い物をしていた際、短パン素足スニーカーの私の足をちらっと見たすれ違いざまの女性に「ほそっ!」と言われたことがある。(笑)の言い方ではなく明らかに驚き隠せず自然と発してしまった時の「ほそっ!」だった。忘れもしないMILKの前の通りでのことだ。
話は逸れたがそんな理由もあって自身の服には大体5、6mm厚くらいだが肩パッドを入れている。
肩パッドが入ると肩部分の着心地が硬くなるイメージがあるが、そんなことは一切ない。
というのも以前の職場で学んだ手作りの肩パッドが本当にびっくりするくらい軽く柔らかく出来上がるので、むしろ着た時の肩のアタリはそのパッドが入っている方がソフトなくらいである。
出来合いのパッドだとこうはいかないので、やはり手作りというのは手間がかかる分唯一無二だと感じる。
もしこのブログを見てご興味が沸いた方はぜひ一度肩パッド有りでのご注文も試してみては如何でしょう。
手作りの肩パッドの製作写真。
柔らかいフェルトの上に綿をちぎって薄く裂いたものを何層にも積み重ねていくのだが、均一に乗せていかないと感触がぼこぼこになってしまう。
(製作の動画をインスタに上げているのでそちらを見ていただくとどのように重ねていくかが多少分かるかと思います)
積み重ねていくとこのように厚くなっていく。
空気が含まれながら層になる。
積み終わった状態の横から。
このあと裏地を乗せて糸で留めつけて完成。
完成。
しっかりと厚みがありながら手に持つと驚くほど軽く柔らかい。